推定の助動詞「なり」「めり」「らし」完全まとめ【活用表あり】

どうも、あっしーです。

推定の助動詞「なり」「めり」「らし」は「~ようだ」「~らしい」と訳す助動詞です。

 

訳すのは簡単ですが、「なり」の識別や基本事項はしっかり押さえておく必要があります。

 

本記事では、「なり」「めり」「らし」の基本事項、訳し方、「なり」の識別

助動詞「なり」「めり」「らし」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。

 

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「なり」「めり」「らし」の活用表

「なり」「めり」はラ変型の活用になります。

この活用表を覚えるというよりはラ変型の活用を覚えることをお勧めします。

「らし」は無変型です。覚えやすくてラッキー!

「めり」「なり」「らし」の接続

「めり」「なり」「らし」は3つとも終止形接続です。

つまり、「めり」「なり」「らし」の前に活用のある語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)が来たらその活用は必ず終止形になります。

 

ただし、ラ変型活用語(ラ変動詞、形容詞、形容動詞、ラ変型助動詞)には連体形に接続します。これは「なり」「めり」「らし」が〈u〉音と相性がいいからです。

接続とは↓

助動詞・助詞の接続とは?接続の覚え方は?接続を使った読解法も紹介!

2020年3月22日

「なり」の訳し方

「なり」の意味
  1. 推定「~ようだ」
  2. 伝聞「~とかいう」

1、推定「~ようだ」

音や声を根拠に、起きたことを推測します

例文

笛をいとおかしく吹き澄まして、過ぎぬなり

訳:笛をとても趣深く澄んだ音色で吹き、去っていったようだ

2、伝聞「~とかいう」

伝い聞いたことを述べます。

例文

男もすなる日記といふものを、

訳:男性がするとかいう日記と言うものを、

「めり」の訳し方

推定「~ようだ」

目で見たことを根拠に起きたことを推測します

例文

簾少し開けて、花奉るめり

訳:簾を少し上げて、花を差し上げているようだ

「らし」の訳し方

推定「~らしい」

例文

ぬき乱れる人こそあるらし

訳:糸を抜いて玉を乱れ散らす人がいるらしい

「なり」「めり」「らし」の違い

「なり」「めり」「らし」はすべて推定の助動詞で「~ようだ」「~らしい」という意味を持っていますがそれぞれ微妙にニュアンスが違います。

 

「なり」は

「音+あり」

「ねあり」

「なり」

と生じた言葉で音や声を根拠に起きたことを推測したときに使われます。

 

「めり」は

「目+あり」

「め+あり」

「めり」

と生じた言葉で、目で見たことを根拠に起きたことを推測したときに使われました。

 

現代では「らし」から生まれた「らしい」という言葉に吸収され、「らしい」がすべての推定をになうようになりました。

断定?推定?「なり」の識別

古文で「なり」という単語があったときによく問題に出るのが「なり」の識別です。

「なり」と言う単語は伝聞推定の「なり」の他に断定の助動詞「なり」、動詞の「なり」、「ナリ」活用形容動詞があります。

これらの「なり」を見分けなさいという問題がよく出ます。

「なり」の識別まとめはこちらのをご覧ください。

「なり」の識別 パターンは全部で4つ!解き方を丁寧に解説

2020年4月13日

 

ここでは断定の助動詞「なり」と推定の助動詞「なり」の見分け方を紹介します。

断定と伝聞推定の助動詞「なり」の識別は意外とたくさんのヒントがあります。

1つずつ分かりやすく解説していきます!

見分け方① 接続で見分けろ!

断定の助動詞「なり」は連体形接続、推定の助動詞「なり」は終止形接続であることを利用して見分けることができます。

接続とは

助動詞「なり」の前の語に注目してください。

用言の連体形または体言ついている「なり」は断定

用言の終止形についている「なり」は伝聞推定の「なり」です。

体言と名詞の違い

名詞と代名詞を合わせて体言と言います。

名詞=体言と考えて大丈夫です。

 

例文
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり

この文には2つの「なり」が入っています。

 

1つ目の「すなる」これは「す」が終止形ですからこの「なる」は伝聞推定になります。

2つ目の「するなり」これは「する」が連体形ですのでこの「なり」は断定と分かります。

訳:男性がするとかいう日記というものを、女の私もしてみようとするのである

見分け方② 係り結びは伝聞推定

係り結びの結びとなっている「なり」はほとんどが伝聞推定になります。

例文

鳴くなる山かげにして

訳:鴨が鳴いているようだ、山かげで。

見分け方③ 音、声に注目

音や声、伝え聞く話などに関わる文脈では伝聞推定が多い。

例文

秋の野に人まつ虫のなり

訳:秋の野原に人を待っているという松虫の声がするようだ

 

をいとをかしく吹き澄まして、過ぎぬなり

訳:笛をとても趣深く澄んだ音色で吹き、去っていったようだ

見分け方④ 1人称は断定!

自分の動作に「~らしい」なんて使いませんよね。

「僕はもう朝ご飯を食べたらしい」

いや、ぼけ老人か~い!

つまり1人称主語の文に使われる「なり」は伝聞推定ではなく断定です。

例文

われ、いくなり

訳:私は行くのだ!

見分け方⑤ 音便で見分けろ!

伝聞推定の「なり」は前にラ変活用の語が来るとそれを撥音便化してしまうことがあるという特性があります。

よって「あんなり」「なんなり」「ざんなり」「あなり」「ななり」「ざなり」の「なり」は伝聞推定の「なり」だと分かります。

詳しくはこちら↓

【古文】音便とは?4つの音便をすべてまとめてみた!読解に役立つ音便の見方とは?

2020年4月9日

 

助動詞「なり」の識別まとめ

・連体形・体言接続→断定

・主語が1人称  →断定

 

・終止形接続 →伝聞推定

・係り結び  →伝聞推定

・音や声がある→伝聞推定

・撥音便   →伝聞推定

ここでは助動詞「なり」の識別を解説しましたが、「なり」はその他にも動詞の「なり」や「ナリ」活用形容動詞も存在しますので注意してください。

その他「なり」の識別はこちら↓

「なり」の識別 パターンは全部で4つ!解き方を丁寧に解説

2020年4月13日

まとめ

さて、お疲れ様です。

今回は推定の助動詞「なり」「めり」「らし」についてまとめました。

「なり」「めり」「らし」まとめ

・終止形接続(ラ変活用には連体形接続)

・「なり」の識別

が重要でした。

 

古文は実際に読んでみる、識別してみるのが一番です。

記憶が新しいうちにやってみてくださいね。

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