【古文】音便とは?4つの音便をすべてまとめてみた!読解に役立つ音便の見方とは?

どうも、あっしーです。

音便とは発音しにくい音が、発音しやすいように変化することです。

 

音便を意識しながら古文を読むと、より明瞭に古文が読めてきます。

 

この記事では、音便とは?読解に役立つ音便の見方、音便の見分け方を分かりやすく解説しています。

読解に役立つ音便の見方はこちら

音便の見分け方はこちら

 

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音便とは・音便の覚え方

音便とは発音しにくい音が、発音しやすいように変わることです。

例えば、「だるい」よりも「だりい」のほうが言いやすいですよね。

このように正式な発音ではありませんが、言いやすさを重視して古文でも表記が変わってしまうことがあるのです。

このことを音便と言います。

 

そして、発音の都合上言いにくかった部分が

「い」に変わったものをイ音便

「う」に変わったものをウ音便

「ん」に変わったものを撥音便

「っ」に変わったものを促音便と言います。

 

古文の音便はたったの4種類しかないんですね。

 

百聞は一見に如かず

説明されるより見た方が早いでしょう。

では、例文を見てみましょう!

イ音便

イ音便は発音しにくい部分が、発音しやすいように「い」に変わることです。

例文

聞きて→聞

泣きたり→泣たり

美しき人→美し

 

美し人、参らせよ

訳:美しい人を参上させろ。

平安コソコソ話

平安時代、それぞれの月の1日目、つまり月の始まりのことを「月立ち(つきたち)」と呼んでいました。

そして「つきたち」のイ音便「つたち」が今の「一日(ついたち)」になりましたとさ。

ウ音便

ウ音便は発音しにくい部分が、発音しやすいように「う」に変わることです。 

例文

思ひて→思

美しくて→美し

 

美していたり

訳:かわいらしく座っていた。

撥音便

撥音便は発音しにくい部分が、発音しやすいように「ん」に変わることです。

例文

飛びて→飛

死にたり→死だり

 

やがて死んだりけり

訳:そのまま死んでしまった。

注意

音便の後の「て」「たり」は「で」「だり」に変化してしまうことがあります。

これも発音のしやすさゆえです。

意味は変わりませんので注意しましょう。

読解に役立つ撥音便

音便はこれのために習うといっても過言ではないくらい重要ですので、腰を据えて読んでください。

 

撥音便はとても読解に役立つケースがあります。

それは推定の助動詞「なり」「めり」の撥音便です。

 

推定の助動詞「なり」「めり」は前にラ変活用の語が来るとそれを撥音便化してしまうという特性があります。

 

さらに、「ん」は表記されない(消される)ことが多いのです。

 

どういうことかと言うと、この例文を見てください。

例文①

難しきことにあなり

訳:難しいことであるようだ

この文の「あなり」の部分はもともと
「あるなり」でした。

「あるなり」が撥音便によって「あなり」になり

「ん」が表記されず「あなり」になってしまったのです。

難しきことにあるなり

難しきことにあなり

難しきことにあなり

もう1つ例を見てみましょう。

例文②

使ふ者にもあらざなり

訳:使いの者ではないようだ

この文では「ざるなり」が例の特性によって「ざんなり」になり

「ん」が消され「ざなり」になっています。

ですから訳は「ないようだ」です。

使ふ者にもあらざるなり

使ふ者にもあらざなり

使ふ者にもあらざなり

 

では、この推定の助動詞「なり」「めり」は前にラ変活用の語が来るとそれを撥音便化してしまうという特性のどこが読解に役立つのかと言うと

断定の「なり」と推定の「なり」が見分けられる

これに尽きます。

断定の「なり」、推定の「なり」ってなに?という方はこちら 

 

断定の「なり」ではこのようなことは起きません。

ですから、「なり」の前が撥音便になっていたり、明らかに音が消えて「ざなり」「ななり」のようになっていたら、その「なり」は伝聞の「なり」だと分かります。

 

これが意外とよく出るんです。

ですので、ここでしっかり覚えておきましょう。

 

なんで「ん」が表記されないの?

なんで「ん」が表記されないの?

古文では「ん」が表記されないことがありますが、これは昔は「ん」を表す平仮名がまだ存在していなかったからだと言われています。

 

ちなみに撥音便の「ん」が表記されないことを撥音便無表記と言います。

なんか、カッコイイですね!

促音便

促音便は発音しにくい部分が、発音しやすいように「つ」に変わることです。

例文

取りて→取

立ちたり→立たり

 

今井が手を取てのたまひけるは、

訳:今井が手を取っておっしゃったことには、

 「言いづらくなっとるがな!」と思う所ですが、

古文では、「っ、ゃ、ゅ、ょ」などの小さい音(促音、拗音)は「つ、や、ゆ、よ」と表記します。

 

ですので、読むときは「取つて」は「取って」と読みます。

音便の見分け方

音便を絶対に見分けられる方法はありませんが、音便が起こるときにはある程度決まった傾向があります。

 

音便は助詞の「て」や助動詞の「たり」の前でよく起こります。

例文

泣きて→泣い (イ音便)

ふるまひたり→ふるまうたり (ウ音便)

取りて→取つ (促音便)

「て」「たり」の前の語に違和感を感じたら音便を疑ってください。

 

撥音便だけは推定の助動詞「なり」「めり」の前でよく起きます。

例文

難しきことにあなり

訳:難しいことであるようだ。

 

「なり」「めり」の前に「ん」が付いていたり、違和感があるようだったら撥音便を疑いましょう。

 

このことを注意して読んでいると音便は見つけることができます。

まとめ

今回は音便についてまとめました。

音便で重要なのは

音便まとめ

・音便とは、発音しやすいように単語の一部が変化すること。

・音便は「て」「たり」の前で起きやすい。

・推定の助動詞「なり」「めり」の前では撥音便が起きる。

・撥音便無表記に注意

でした。

音便は、元の単語を知っておくと違和感を感じやすくなり見つけやすくなります。

古文語彙の強化も怠らないようにしましょう!

 

では、また!

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