どうも、あっしーです。
完了の助動詞「たり」「り」は最序盤に習い、古文で一番使われる助動詞の一つです。
しかし、完了か存続か分からなかったり、「り」を見落としてしまいがちですよね。
この記事では「たり」「り」の基本事項、意味の見分け方
「り」の接続、「たり」の識別など
助動詞「たり」「り」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。
目次
「たり」「り」の活用表
「たり」「り」ともにはラ変型の活用です。
この活用表を覚えるというよりはラ変型の活用を覚えることをお勧めします。
「たり」の接続
「たり」は連用形接続です。
つまり、「たり」の前に活用のある語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)が来たらその活用は必ず連用形になります。
接続とは↓
「り」の接続
「り」は特殊な接続になります。
「り」は動詞によって異なる活用形に接続するという複雑な接続を持ちます。
が、本質は簡単です。
皆さんは「〈e〉音」に接続すると覚えておきましょう。
「〈e〉音」というのは「え、け、せ、て、ね」などです。
なので、文中に「〈e〉音+ら、り、る、れ、ろ」を発見したら「助動詞の「り」かも!」と思う癖とつけておくと古文が格段読みやすくなります。
いと思ひのほかなる人の言へれば、人々怪しがる
訳:全く意外な人が言ったので、人々は不思議がる。
この文では〈e〉音である「へ」に「れ」が付いているので助動詞の「り」であると気付けます。
「たり」「り」の訳し方
1、完了「~(し)た」「~してしまった」
動作や状態の完了、終了を表します。
女の兄人、にはかに迎へに来たり
訳:女の兄が、急に迎えに来た。
2、存続「~ている」
動作や状態が続いていることを表します。
道知れる人もなくて惑ひ行きにけり
訳:道を知っている人もいなくて迷いながら行った。
完了?存続?意味の見分け方
「たり」「り」は『完了』と『存続』の2つの意味を持ちますが、語源からして存続が基本的な意味、完了はそこから派生した意味であると考えられています。
ですので訳すときには、まず存続〈~ている〉で訳してみて、違和感のある訳になってしまったら完了〈~た〉で訳すようにしましょう。
完了?断定?「たり」の識別
古文においては3つの「たり」を見分ける必要があります。
3つの「たり」とは
- 完了の助動詞「たり」
- 断定の助動詞「たり」
- 形容動詞「タリ」活用
です。
どれも全く同じ活用をしますから、うっかり間違えてしまうわけです。
「たり」の識別のコツは「たり」の上を見ろです!
①用言→完了の助動詞「たり」
②体言→断定の助動詞「たり」
③々、然、乎→タリ活用形容動詞
1つずつ例を確認しましょう。
①直前に用言が付いたら完了の「たり」
完了の「たり」は用言に付きます。
用言とは動詞、助動詞、形容詞、形容動詞のことです。
女の兄人、にはかに迎へに来たり
訳:女の兄が、急に迎えに来た。
②直前に体言が付いたら断定の「たり」
断定の「たり」は体言(名詞)に付きます。
忠盛、備前守たりし時
訳:忠盛が、備前守であった時。
名詞と代名詞を合わせて体言と言います。
名詞=体言と考えてしまっても問題ありません。
③々、然、乎+「たり」は形容動詞
タリ活用の形容動詞はすべて漢文由来の形容動詞であり、形が決まっています。
タリ活用形容動詞はほとんどが「~々たり」「~然たり」「~乎たり」の形をしています。
索々たり
満々たり
悠々たり
厳然たり
騒然たり
断乎たり
など
①用言→完了の助動詞「たり」
②体言→断定の助動詞「たり」
③々、然、乎→タリ活用形容動詞
まとめ
さて、お疲れ様です。
今回は完了の助動詞「たり」「り」についてまとめました。
「たり」「り」で重要なのは
・複雑な「り」の接続
・『存続』『完了』どちらで訳すのか
・3つの「たり」の識別
この3つでした。
この記事ですべてを網羅していますので、しっかり復習して身に着けてくださいね!
確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、識別してみるのが一番です。
記憶が新しいうちにやってみてくださいね。
「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!
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