【古文】敬語と主語の関係を図を使って丁寧に解説

こぶん
主語が省略されて全然読めない、、、

その上敬語なんて出てきたらもうさっぱり、、、

おやぶん

バカヤロー!敬語があるから文章が読めるんだろうが!

敬語古文初心者がよくつまずいてしまうポイントです。

しかし、敬語は読解において最大のカギなのです。

 

なぜなら、古文では主語がよく省略されるのですが

敬語は主語を明確に教えてくれているのです!

敬語のおかげで読解が進むことなんてざらにあります。

この記事では敬語がわかるとなぜ主語がわかるのか、どうやってわかるのかを解説していきます。

 

少し難しいかもしれません。
僕も図を使って、少しでもわかりやすく解説していきます。

 この記事を最後までしっかり読めば他の受験生と圧倒的な差が付くことを約束します。
最後まで頑張ってついてきてくださいね!

記事の最後に練習問題があります。

 

――――――無料プレゼント!――――――

敬語を理解する前に重要なワンポイント

さて、敬語の説明をする前にちょっと意識してほしいことがあります。

この画像を見てください。

文章は作者が書いているよってことです。

当然のことですが、これを意識するのとしないのでは敬語の理解のしやすさが全然変わっていきますので、頭の片隅にでも入れておいてください。

では、敬語を武器に変える講座やっていきましょう!

敬語でなぜ主語が分かるのか

 敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つがあることは皆さん知っていると思いますが、

このうち尊敬語と謙譲語が主語を教えてくれる鍵となります。

 

実は現代でもみなさんやっています。

例えば「いらっしゃった」と言ったら主語がなくてもなんとなく「偉い人が」来たことが分かりますよね。
友達に「いらっしゃった」なんて使いません。

補足

「いらっしゃった」は「来る」の尊敬語です。

 

もう一つ例を挙げると例えば、「かしこまりました」という言葉が聞こえてきたとします。
これを言ったのは誰でしょう?

当然「身分が下の人が」上の人に言ったのが想像できるかと思います。

 

補足

「かしこまりました」は「分かる」の謙譲語です。

このように主語がなくても敬語で誰がその動作をしたのか分かるのです。
古文も原理は同じになります。

次に、尊敬語と謙譲語それぞれについて主語が誰なのか詳しく見ていきましょう。

尊敬語の主語

まず尊敬語が使われる状況を「見る」の尊敬語【御覧ず】を例に見てみましょう。

尊敬語は身分の高い人が動作をするときに使われます。

つまり、尊敬語を使って書かれた文章の主語は登場人物の中で身分が上の人です。

謙譲語の主語

謙譲語が使われる状況を「見る」の謙譲語【見奉る】を例に見てみましょう。

謙譲語は身分が下の人が上の人に何かをする時またはされる時に使われます。

つまり、謙譲語が使われた文章の主語は身分が下の人です。

つまりどういうこと?

ここまでの話を要約すると尊敬語が使われたら主語は身分が上の人、謙譲語が使われたら主語は身分が下の人ということです。

古文では主語が省略されることがとてもよくある。
と言いましたね。

つまり、皆さんが古文を読む上でやらなくてはいけないのは

「おはす(行くの尊敬語)」と書かれていたら「身分が高い人が来たんだ!」、「参る(行くの謙譲語)」と書かれていたら「身分が低い人が来たんだ!」と主語が省略されていても気づけるようになることです。

 

そしてこれが出来るようになれば古文はしめたも同然ということです。

丁寧語

丁寧語は「です。」「ます。」「ております。」と訳し、文を丁寧にする働きがあります。

 会話文にあれば、そのセリフを話している人が聞いている人へ、地の文であれば作者が読者(つまり読んでいるあなた)へ敬意を向けています。

矢印は敬意の向きです。

丁寧語で主語がはっきりと決まることはあまりありません。

補足
丁寧語が「話している人が聞いている人へ」敬意を表すのなら丁寧語で話しているのは身分が下の人では?と思う人がいるかもしれません

しかし、そうではないのです

身分が上の人でも丁寧語で話すことはあるんです

現代でも身分が上でも礼儀として「ですます調」で話すことはよくあると思います

僕の身分が高いと言いたいわけではありませんよ、ええ。

二方面への敬語

二方面への敬語とは「〜奉り給ふ」のように謙譲語+尊敬語の形になっている語です。

センターレベルの文章では必ずと言っていいほど出てきます。
なので、これが理解できると他の受験生と一気に差が付きます。

では、この二方面の敬語を紐解いていきましょう!

まずは謙譲語の例を見てください。

ここでは、見られている人が偉い人なので謙譲語を使いました。

では、見られている人も、見ている人も偉い人だったらどうでしょう。
見ている人と見られている人の両方に敬意を表さなければなりません。

そこで使うのが「~奉り給ふ」のような二方面の敬語です。 

見られている人が偉い人なので謙譲語を使い、さらに見ている人も偉い人なので尊敬語を付けます。

その結果「~奉り給ふ」などの敬語になるのです。
訳は「申し上げなさる」です。

この場合どちらも身分が高い人なので主語の特定は文脈を読む必要があります。

ただ身分が低い人ではないことは分かるかと思います。

練習問題

ここで学んだ知識をフル活用で読んでみましょう。

全ての主語が省略されていますが、敬語に注目すると不思議と読めてしまいます。

 

この記事も読んでおくとさらに読解がはっきりします。

【例文付き】主語が変わる助詞、変わらない助詞全まとめ【古文】

2020年2月18日

 

下線部a,b,cの主語が誰なのか敬語をもとに考えながら読んでください。

ヒント

ヒント①

身分の順番は

中宮定子>藤原隆家>>清少納言

です。

中宮定子と藤原隆家は身分が高い人、清少納言は身分が低い人です。

ヒント②
下線部aは、聞こえ、させ、給へ、と分解でき最高敬語です。

解説

下線部a

まず、下線部aの敬語「問い聞こえさせ給へ」早速、謙譲語尊敬語のパターンです。

ヒントでも述べたように「させ給う」が最高敬語になりますので主語は中宮定子だとわかります。

そして謙譲語尊敬語のパターンですので、質問しているのもされているのも偉い人です。

質問しているのが中宮定子でしたから、されているのは藤原隆家だということも分かります。

下線部b

下線部bは「申し給へ」またもや謙譲語尊敬語のパターンです。

申しているのも、申されているのも偉い人

そして主語は中宮定子ではないということから考えると主語は藤原隆家であることが分かります。

下線部c

下線部cは「聞こゆ」これは「言う」の謙譲語ですから主語は身分が低い人でしたね。

つまり、主語は清少納言と分かります。

 

全訳
「(その骨は)どのような物なのですか。」と中宮定子がお尋ね申し上げなさると、
「すべてが素晴らしいです。『まったく今まで見たことのない骨の様です。』と人々が申し上げます。本当にこれほどの(骨)は見たことがありません。」

と声を大にして藤原隆家がおっしゃるので、

「それでは、扇の(骨)ではなくて、くらげの(骨)のようですね。」

清少納言が申し上げる。

最後に

さて、おつかれさまです。

どうでしたか?
敬語の使い方わかっていただけたでしょうか?

上の練習問題が解けるようになれば敬語はマスター出来た!と言っていいと思います。

後は、重要敬語を暗記しておけば敬語が読解の最強武器になります!

敬語のおススメの覚え方はこちら↓

古文敬語がスラスラ読めるようになるたった2つのコツ【覚え方ゴロ】

2020年2月26日

では、また!

今だけ「真の読解法」を無料プレゼント!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です