どうも、受験古文攻略塾おやぶんのあっしーです。
「係り結び」とは「係助詞を受けて文末が連体形・已然形に変化すること」です。
また、ルールだけでなく訳し方や結びの省略や結びの流れなどの例外を知っておくと古文読解に役立つことが多くあります。
この記事では、係り結びとは何か、訳し方、結びの省略・流れの訳し方を丁寧に分かりやすく解説しています。
これを読んで係り結びをしっかり読解できるようになりましょう!
目次
係り結びの法則とは
「係り結びの法則」というのは、文中に「ぞ、なむ、や、か、こそ」という係助詞があるときは、その文の最後の活用語が連体形もしくは已然形に変わってしまうという法則です。
もう少し分かりやすく説明しましょう。
普通文章の最後の活用語は終止形で終わりますよね。(命令文は命令形)
しかし、文中に「ぞ、なむ、や、か」があるとその文の文末の活用語は連体形に変わってしまいます。
「こそ」があると已然形に変わってしまいます。
これが「係り結びの法則」です。
「ぞ、なん、や、か」の時は連体形に
「こそ」の時は已然形に変わります。
係り結びの覚え方
係り結びを起こす係助詞は「なむ、ぞ、や、か、こそ」です。
何度も「なむ、ぞ、や、か、こそ」と唱えて憶えましょう。
結びは「なむ、ぞ、や、か」が連体形
「こそ」だけが已然形です。
係り結びの意味・訳し方
文中に「ぞ、なむ、や、か、こそ」があると文の意味やニュアンスが変わります。
1つずつ解説していきます。
「ぞ、なむ」の意味・訳し方
「ぞ、なむ」は前の語を強調するときに使われます。
ちょっとだけ言葉を強くするニュアンスです。
なので訳出する必要はありません。
訳:橋を八つ渡していたことから、八つ橋と言うのだった。
今宵、月は海にぞ入る
訳:今夜、月は海に沈む。
現代では夕方を黄昏時(たそがれどき)と言います。
この黄昏は
「誰ぞ彼」
↓
「たそかれ」
↓
「たそがれ」を語源としているそうです。
夕方の薄暗い時間に顔がよく見えなくて「誰ぞ彼(あれは誰?)」の時間ということですね。
朝方は「かわたれ時」と言いますが、こっちは「彼は誰」を語源としています。
ちなみに「かたわれ時」は糸守の方言です。
「や、か」の意味・訳し方
「や、か」は疑問・反語の意味があります。
さのみ知り顔にやは言ふ
訳:そうむやみに知ったかぶった顔で言うだろうか、いや言わない。
訳:どの山が天に近いか。
疑問・反語の見分け方
結局、疑問・反語どっちで訳せばいいの?という質問があると思います。
疑問・反語のよく使える判定法を紹介します。
返答がある
疑問の場合、そのあとに答えの返答が来ることが多いです。
だって、質問したのに、返答がなかったら
え、むし・・・
てなっちゃいますからね。
同様に「~か…と問ふ」と来ても疑問で訳しましょう。
問うてますから当然疑問です。
「やは、かは」は反語
「や、か」に「は」が続き「やは、かは」の形で使われると反語の意味になります。
「やは、かは」での疑問の用法の例は極めて少ないです。
訳:寿命は人を待ってくれるだろうか、いや待ってくれない。
「こそ」の意味・訳し方
「こそ」の訳し方①
「こそ」は前の語を強調するときに使われます。
「なむ、ぞ」より強調の度合いが強く訳出する必要があります。
訳:何事も初めと終わりは特に趣深いものである。
「現代語訳せよ」と言われたら「こそ、特に、なんと」などで強調を表してください。
普通に読むだけなら気にしなくても大丈夫です。
「こそ」の訳し方②
「こそ」にはもう1つ注意してほしい形があります。
それが、「こそ~(已然形)、~」のように係り結びが起きていて、かつ文が続いている場合です。
この「こそ」だけは逆接の意味が加わります。
訳:垣根はあるけれども、1つの家のようであるので、
・「や、か」は疑問か、反語
・「こそ」は強調
・「こそ」は逆接用法もあるので注意
係り結びの例外
係り結びには「ぞ、なむ、や、か、こそ」があるのに結びが起きないという例外が2つ存在します。
それが「結びの省略」と「結びの流れ」です。
これを理解すると古文が格段読みやすくなります。
結びの省略
「結びの省略」とは本来結びの語として連体形や已然形になるはずだった語が省略されてしまうことです。
特に「なむ」でよく起きます。
訳:全体で都のうち3分の1に及んだと言う。
この文では「言ふ」が省略されています。
訳:世に抜きん出た方のあたりには、窮屈なことが多くある。
この文では「ある」が省略されています。
ここで覚えておいてほしいことは「結びの省略」で省略される語は決まっていて
「ある」「言う」「聞く」の3つということです。
ですので、係助詞で文章が終わっていた場合「ある」「言う」「聞く」を補って読むと、うまく読むことができることを覚えておいてください。
結びの流れ
もう1つの例外が「結びの流れ」です。
「結びの流れ」は本来結びの語として連体形や已然形になるはずだった語が接続の関係で連体形や已然形にならないという現象です。
こちらの文では本来「こそ」を受けて「失すれ」と已然形で結ぶはずですが、接続助詞「とも」の上は終止形と決まっているのでそちらが優先され、已然形の結びにはなっていません。
このように接続助詞が付き、文が続く場合、接続助詞の接続が優先され係り結びが流れるというパターンがあります。
訳自体は変わりませんが、こういう例外もあるということも頭に入れておくといいです。
まとめ
・「ぞ、なむ、や、か」~連体形
「こそ」~已然形
・「なむ、ぞ、こそ」は強調のニュアンス
・「や、か」は疑問・反語
・結びの省略と流れに注意
が重要なポイントでした。
係り結びは文末が連体形、已然形に変わるということだけでなく訳し方・省略されるということを理解しておいてくださいね。
では、また!
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