どうも、あっしーです。
反実仮想の「まし」は心情を強く表す助動詞で文中に現れたら高確率で問題になる重要な助動詞です。
しかし、反実仮想とは何かわかりづらかったり、意味が他に3つあり、慣れるまでは「どう訳せばいいの?」と混乱しますよね。
そこで、本記事では「まし」の基本文法事項から反実仮想の訳し方、意味の見分け方
助動詞「まし」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。
目次
「まし」の活用表
「まし」は特殊型です。
このまま覚えるしかありませんので
「ませましか、〇、まし、まし、ましか、〇」と何度も唱えて覚えましょう。
「まし」の接続
「まし」は未然形接続です。
つまり、「まし」の前に活用のある語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)が来たらその活用は必ず未然形になります。
接続とは↓
「まし」の訳し方
「まし」には意味が4つあります。
1つずつ例文と意味の見分け方を見ていきましょう!
- 反実仮想「もし―としたら~だろうに」
- ためらいの意志「~しようかなぁ」
- 不可能な希望「~ならいいなぁ」
- 推量「~だろう」
1、反実仮想
「もし―としたら~だろうに」
「まし」の意味の中で最も重要な意味です。
英語のif構文のように訳します。
「もし―だったら、~だろうなぁ」という風にあり得ないことを想像、妄想しています。
なかなかハイセンスな妄想をしてくれるのが古文の面白いところでもあります。
鏡に色形あらまほしかば、映らざらまし
訳:もし鏡に色や形があったとしたら、何も映らないだろうなぁ。
2、ためらいの意志「~しようかなぁ」
ためらいを含んだ意志を表します。
これに何を書かまし
訳:これに何を描こうかなぁ。
3、不可能な希望「~ならいいなぁ」
かなわない願望を表します。
見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむ後ぞ咲かまし
訳:見る人もない山里の桜よ、他の花が散った後に咲いたらいいのに。
4、推量「~だろう」
あまり見られない用法です。
行き暮れて木の下陰を宿とせば花や今宵のあるじならまし
訳:旅の途中で日が暮れて木の下を宿とするならば、花が今夜の宿の主人となってくれるだろうか。
「まし」の意味の見分け方
反実仮想の「まし」
反実仮想の「まし」は使われる形が決まっています。
4つしかありませんので構文として覚えてしまうことをお勧めします。
① ―ましかば~まし
やがてかけこもらましかば、口惜しからまし
訳:もしすぐに中に籠ってしまったとしたら、残念なことだろうなぁ。
② ―ませば~まし
わが背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪のうれしからまし
訳:もし夫と二人で見たとしたら、どんなにこの降る雪がうれしいだろうに。
③ ―せば~まし
「せば」の「せ」は過去の助動詞「き」の未然形「せ」です。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
訳:もしこの世に全く桜がなかったとしたら、(すぐ散ってしまう桜を焦って見ようとすることもなく)春の人々の心はのどかだっただろうなぁ。
④ 未然形+ば~まし
わが身一つならば、安らならましを、
訳:もし自分一人であるとしたら、気楽だろうに、
この4つの型で「まし」が使われた場合はほぼかならず反実仮想の「まし」になりますので、「もし―としたら~だろうに」に当てはめて訳すようにしましょう。
体感3番が一番よく目にする気がします。
・―ましかば~まし
・―ませば~まし
・―せば~まし
・未然形+ば~まし
ためらいの意志の「まし」
ためらいの意志の「まし」は「何、や、か、いかに」などの疑問を表す語を伴い「何~まし」「や~まし」の形で使われることが多いです。
これに何を書かまし
訳:これに何を書こうかなぁ
迎へやせましとおぼし乱る
訳:「迎えをしようかなぁ」と思い乱れなさる。
・反実仮想は4つの型がある
・「なに、や、か、いかに」を伴ったらためらいの意志
・それ以外は不可能な希望
まとめ
さて、お疲れ様です。
今回は反実仮想の助動詞「まし」についてまとめました。
「まし」で重要なのは
・未然形接続
・4つある意味の見分け
・反実仮想は4つの型で総ざらい!
でした。
この記事ですべてを網羅していますので、しっかり復習して身に着けてくださいね!
確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、意味を見分けてみるのが一番です。
記憶が新しいうちにやってみてくださいね。
「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!
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