どうも、あっしーです。
序詞(じょことば)とは古文の和歌の中で使われる表現技法(修辞法)のひとつです。
共通テストレベルの問題でも問われる可能性のある重要な技法です。
この記事では序詞とは何か、訳し方、枕詞との違い、序詞の見つけ方、序詞のすべてをまとめました!
目次
序詞とは
序詞というのは和歌の表現技法(修辞法)のひとつです。
和歌の表現技法は掛詞、枕詞、序詞、縁語などがあり、序詞はそのうちの一つです。
具体的にどういうものか、参考書を見てみると
「ある語句を導き出すために、前置きとして用いられる修飾的な部分」と書かれています。
言葉で説明されてもよくわかりませんから、実際の和歌で確認してみましょう。
訳:山鳥の垂れ下がった尾が長いように、長い長い夜を私は一人で寝るのだろう。
この和歌は前半部分の「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の」までがその後の「ながながし」を導く序詞になっています。
もう少し詳しく説明します。
この和歌で本当に伝えたいことは後半部分の「長い夜を一人で寝るのだろうか、さみしいなぁ」の部分なんですよ。
でもそれだけだと和歌に芸がないので、わざわざ「山鳥の垂れたしっぽは長い、それくらい長い夜を…」という風に山鳥のしっぽの長さと夜の長さを掛けているわけです。
つまり、「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の」の部分が「ながながし」をどれくらい長いのかを前置きとして強調しているわけです。
このように「ある語句を導き出す(強調する)ために、前置きとして用いられる修飾的な部分」
これを序詞と言います。
枕詞と序詞の違い
よく勘違いしてしまうもので、枕詞という技法もあります。
序詞と枕詞は使われ方や説明がよく似ていますが、
枕詞は「原則5音」「枕詞の後には必ず決まった単語が来る」という決まりがあります。
それに対して、序詞は「7音以上」からなります。
また、枕詞と違い「ひさかた」と光、「ちはやふる」と神のように必ずこれとこれはセットで使う!というようなルールはありません。
序詞は和歌を詠む人が即興で組み合わせを考えるものです。
混同しないように注意しましょう。
▼枕詞について詳しくはこちら▼
序詞の見つけ方
枕詞の使われ方は次の3パターンしかありません。
覚えてしまえば簡単に見つけることができます。
パターン①比喩
訳:山鳥の垂れ下がった尾が長いように、長い長い夜を私は一人で寝るのだろう。
「山鳥の尾のように長い夜」という風に情景を使って、長いということを比喩しています。
パターン②掛詞
訳:風が吹くと沖には白い波が立つ、その立つではないが、たつた山をこの夜中にあなたはひとりで越えているのだろうか。
掛詞つまりダジャレを使って「龍田山(たつた山)」を強調しています。
「風が吹くと海に白波が立つねぇ。「たつ」で思い出したけど、「たつ」と言えばたつた山を君が…」といった感じ。
パターン③同音繰り返し
訳:ホトトギスが鳴く五月に菖蒲(あやめ)も咲いた、その「あやめ」ではないが、私は物の分別も分からなくなるほど、夢中な恋もすることよ。
1つの和歌の中に同じ単語が2個入っているパターンです。
これが一番簡単に見つけられるパターンかと思います。
この和歌では植物の「あやめ」と分別を表す「文目(あやめ)」の2つが入っています。
序詞の訳し方
序詞の訳し方は大きく分けて次の2パターンだけです。
パターン①「~のように」
訳:山鳥の垂れ下がった尾が長いように、長い長い夜を私は一人で寝るのだろう。
パターン②「~その~ではないが」
訳:風が吹くと沖には白い波が立つ、その立つではないが、たつた山をこの夜中にあなたはひとりで越えているのだろうか。
序詞は「~のように」か「その~ではないが」のどちらかで訳すと無難でよいです。
まとめ
今回は和歌の修辞法のひとつ、序詞についてまとめました。
・見つけ方は「比喩」「掛詞」「同音繰り返し」
・訳し方は「~のように」か「~その~ではないが」
でした。
和歌はたったの31文字の中にいくつも意味が掛かった技巧やその当時の風景、詠んでいる人の心情が詰め込まれた素晴らしい文化だと思います。
受験勉強として見るだけでなく、昔の歌人が残した古き良き日本の情趣を楽しみながら和歌を詠んでみましょう!
では、また!
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