【一覧あり】掛詞とは?訳し方と簡単な見つけ方のコツを徹底解説!

どうも、あっしーです。

掛詞(かけことば)とは、古文の和歌の中で使われる表現技法(修辞法)のひとつです。

共通テストレベルの問題でも問われる可能性のある重要な技法です。

 

この記事では掛詞とは何か、掛詞の訳し方、見つけ方、重要な掛詞一覧など掛詞のすべてをまとめました!

 

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掛詞とは

掛詞とは、和歌の表現技法(修辞法)のひとつです。

和歌の表現技法は掛詞、枕詞、序詞、縁語などがあり、掛詞はそのうちの一つです。

 

具体的にどういうものかというと

「1つの言葉に、同音異義語で2つの意味を仕込む」

という技法です。

同音異義語とは「箸と橋」「松と待つ」などのことですね。

 

例えば

例文
山里は/冬ぞさびしさ/まさりける/人目も草も/かれぬと思えば

訳:山里は冬に一層さみしくなる。人目から離れ、草も枯れてしまうと思うと。

この和歌の「人目も草もかれぬ」の「かれ」には同音異義語で「離れ」と「枯れ」の2つの意味がかかっています。

このような1つの言葉に2つの意味を仕込む、これを掛詞と言います。

掛詞の訳し方

掛詞は1つの言葉に2つの意味が込められています。

ですので訳すときは、ちゃんと2つとも意味を訳に反映させる必要があります。

工夫して2つの意味を両方とも訳すようにしましょう。

 

例文
惜しまるる/涙に影は/留まらなむ/心も知らず/あきは行くとも

例えばこの歌は恋愛の和歌なのですが「あきは行くとも」の「あき」には「秋」と「飽き」のダブルミーニングが掛かっています。

この2つをうまく反映させて、訳はこうなります。

例文
惜しまるる/涙に影は/留まらなむ/心も知らず/あきは行くとも

訳:別れを惜しんで流す涙の中にあなたの影(姿)はとどまってほしい。私の恋しい心も知らずが通り過ぎて行くようにあなたが私に飽きて去っていくとしても。

 

このように掛詞を訳すときは、和歌で伝えたいことをくみ取り、2つの意味を工夫して訳出しましょう。

重要な掛詞一覧

掛詞は現代では使われていない単語や地名が多いので、初見で気付くには難しいものもあります。

よく使われる掛詞は一通り暗記しておくことをお勧めします。

覚えるべき掛詞 掛かっている単語(意味)
あかし 明かし(明るい)・明石(地名)
あき 秋・飽き(飽きる)
あふひ 葵(植物名)・逢う日
あふ 逢坂(地名)・逢う
あま 天・海士(漁師)・尼
あらし 嵐・あらじ(ないだろう)
いく 行く・生く・生野(地名)
いはて 磐手(地名)・言はで(言わないで)
うき 憂き(つらい)・浮き
かた 方(方角・方法)・潟(干潟・なぎさ)・難し・交野(地名)
かる 枯る・離る(離れる)
すみ 澄み・住み・住の江(地名)・住吉(地名)
ながめ 眺め・長雨
なみ 浪・無み・涙
なる 馴る・萎る・成る・鳴る・鳴海(地名)
根・寝・音
はる 春・張る
火・思・恋
ふる 降る・経る(経つ)・振る
ふみ 文(手紙)・踏み
まつ 松・待つ
みをつくし 身を尽くし・澪標(水路にある標識)
もる 漏る・守る・盛る
世・夜・節

掛詞の見つけ方

掛詞に初見で気付くことはかなり難しいですが、一応見つけ方が2つあるので紹介します。

1、平仮名に注目する。

掛詞はほとんど、平仮名で表記されます。

例えば、漢字があるのにあえて「あき」と平仮名で表記することで、そこに「秋」と「飽き」の2つの意味が掛かっていることを暗示するのです。

ですので、漢字がある単語なのにあえて平仮名表記で書かれている場合、掛詞を疑いましょう。

2、地名に注目する。

掛詞には地名を使ったものが多いです。

先ほどまとめた「重要な掛詞一覧」にも「明石(神戸の西)」「逢坂(京都と滋賀の境)」「生野(京都北西)」「住吉(大阪)」など多くの地名がありました。

地名が和歌に登場したら掛詞を疑うと見つけやすくなります。

 

まとめ

今回は和歌の修辞法の一つ、掛詞について解説しました。

掛詞まとめ
・掛詞は1つの単語に同音異義で2つの意味をかけている。

・訳すときは2つの意味を工夫して訳出

・探すときは平仮名に注目

・地名に多い

でした。

 

和歌はたったの31文字の中にいくつも意味が掛かった技巧やその当時の風景、詠んでいる人の心情が詰め込まれた素晴らしい文化だと思います。

受験勉強として見るだけでなく、昔の歌人が残した古き良き日本の情趣を楽しみながら和歌を詠んでみましょう!

では、また!

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