【鉄板な和歌対策】知ってるだけで読める!和歌特有の表現・定番表現まとめ

どうも、あっしーです。

 

和歌って読解しづらいですよねー。

それは和歌特有の表現や、古文常識が使われていることが原因の一つです。

 

例えば、和歌に「橘」と出てきたらどういう心情が詠まれるのか

「うたかた」と出てきたらどのようなことを詠むのが鉄板なのか

 

この記事ではそんな知っておくと和歌が格段読みやすくなる和歌特有の表現、定番表現、古文常識をまとめました。

 

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和歌特有の表現・古文常識

・・・を~~み

和歌特有の表現ですが「・・・を~~み」で「・・・が~~なので」という意味になります。

例文
瀬を早み/岩にせかるる/滝川の/われても末に/逢はむとぞ思う

訳:川の瀬の流れが速いので岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。

例文
山高み/見つつわがこし/桜花/風は心に/まかすべらなり

訳:山が高いので名残を惜しんで、遠くから眺めながら帰ってきたあの桜の花を、風は思いのままに散らしているようだ。

夕さり

「夕さり」には夕方という意味があります。

よくある勘違いに

「『夕さり』は夕方が去った後の事!」と思っている人がいますが、

夕さり」は夕方の後ではありません、夕方ですので注意しましょう。

 

他にも「春さり」「夜さり」などがあります、意味は春、夜という意味です。

 

「夕されば」で「夕方になると」という意味にもなります。(「夕方が去ると」ではないので注意!)

和歌の定番表現

和歌で「人」と出てきたら、ただの人ではありません。

和歌を詠んでいる人が想っている“愛するあの人、恋しいあの人”という意味を含むことがあるので訳す際には注意しましょう。

例文
逢ふことの/絶えてしなくは/なかなかに/をも身をも/恨みざらまし

訳:もし逢うことが絶対にないならば、愛するあの人のことも我が身も恨むことはしないのに。

例文
飛鳥川淵は瀬になる世なりとも思ひそめてむは忘れじ

訳:飛鳥川のように昨日川の淵であった所が、今日は瀬になるような変わりやすい世の中でも、一度愛してしまった人は決して忘れられないだろう。

会ふ、逢ふ(あふ)

和歌で「会ふ」「逢ふ」が出てきたら、それは恋愛の歌であることがあります。

直接的に恋人に会いたいと言っていなくても、その裏には恋心が読み取れる場合があることを知っておくと和歌が読みやすくなります。

例文
瀬を早み/岩にせかるる/滝川の/われても末に/逢はむとぞ思う

訳:川の瀬の流れが速いので岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。

この和歌は二つに分かれた川の水が一つになることから、間接的にあなたと再会したいという意味が込められています。

 

例文
逢ふと見て/ことぞともなく/明けぬなり/はかなの夢の/忘れ形見や

訳:(恋しいあの人に)逢う夢を見て何事もなく明けてしまった。はかない夢というの忘れ形見よ。

この歌も「(恋しいあの人に)逢う夢を見た」というように恋心を補完する必要があります。

はかないもの

古文では「人生、命、この世」を 「はかないなぁ」と嘆く歌がよく登場します。

このとき直接的に言うのではなくはかなく消えてしまうものを例えに使って詠います。

はかないものの例えbest3は 「散る桜」 「露(つゆ)」 「泡(うたかた)」 の3つ。

 

逆に「散る桜」 「露(つゆ)」 「泡(うたかた)」が和歌に登場したら世のはかなさを詠っている和歌だと思ってください。

例文
秋風に/なびく浅茅の/末ごとに/おく白の/あはれ世の中

訳:秋風になびく浅茅(あさじ)の葉の先に白がついている。この世はその露のようにはかないものだなぁ。

平安コソコソ話・蝉丸
例文の「秋風になびく浅茅の末ごとにおく白のあはれ世の中」、この和歌を詠んだのは平安時代の歌人「蝉丸」さんです。

蝉丸といえば百人一首の坊主めくりですよね。(え!今の子はやらない⁈)

坊主めくりとは百人一首の札を使った100%運ゲーの札取りゲームです。

蝉丸は100枚ある札の中でも、この野球部感あふれるチクチク坊主頭となぜか一人だけ後ろを向いた坊主、そして覚えやすい名前

このインパクトで運100%の坊主めくりを盛り上げてくれる超有名札です。

地域によっては蝉丸を引いたら一回休みなどの「蝉丸ルール」なんてのもあるそうです。愛されキャラ!

橘(たちばな)

古文や歌の中によく使われる 「橘(たちばな)」 橘は夏に香りの高い花を咲かせる柑橘類の木で、 その花の香りで昔の事や、昔の恋人を連想することが定番です。

橘=昔を懐かしむ心情 なのです。

例文
の/にほふあたりの/うたた寝は/夢も昔の/袖の香ぞする

訳:懐かしい人を思い出させる橘の花の香り、そのそばでうたた寝をすると、夢の中にも昔の恋人の袖の香がすることだ。

例文
五月(さつき)待つ/花橘の/香をかげば/昔の人の/袖の香ぞする

訳:五月を待って咲く花橘の香をかぐと、昔親しくしていた人の袖の香がすることだ。

古文では悲しさや寂しさで涙を流すシーンや和歌が頻出ですが、このとき直接的に「泣いた」とは言わないことがよくあります。

 

「袖濡る」「袖の時雨」「袖の雫」「袖をしぼる」など袖が濡れる、つまり涙で袖が濡れてしまったという間接的な表現で泣いたことを表す表現が頻出です。

 

和歌中でなくても「袖を濡らした」で泣いたことを表すことはよくあります。

袖を濡らす=泣く なのです。

例文
わが袖は/潮干に見えぬ/沖の石の/人こそ知らね/乾く間もなし

訳:私の袖は、引き潮の時でさえ海中に隠れて見えない沖の石のようだ。他人は知らないだろうが、(袖が涙に濡れて)乾く間もない。

これは夢に関する重要な古文常識なのですが、

古典の世界では夢に異性が出てきた場合、それはその異性が自分のことを恋い慕っているから自分の夢にまで出てきてしまったという考えがありました。

なんとも都合のいい考え方ですね…

 

まとめ

今回は知っておくと和歌読解に役立つ和歌特有の表現・鉄板表現をまとめました。

和歌表現まとめ
・「・・・を~~み」は「・・・が~~なので」

・「夕さり」は「夕方」

・和歌中の「人」は“愛するあの人、恋しいあの人”の可能性

・「会う」「逢う」は恋愛歌の可能性

・はかないものの例えbest3は 「散る桜」 「露(つゆ)」 「泡(うたかた)」

・橘は昔を懐かしむ心情が鉄板

・「袖を濡らす」=「泣く」

でした!

この記事をよく復習して和歌の特有表現・定番表現頭に入れれば必ず和歌の読解に役立ちます!

これで和歌を得意にしていってください!

ではまた!

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