どうも、あっしーです。
和歌の句切れってなんだか難しそうだし、どうやって見つけたらいいのか分かりづらいですよね。
句切れは和歌の勉強の中では見落としがちですが、
実は句切れは和歌をめちゃくちゃ読みやすく、解きやすくしてくれる「和歌のコツ」なのです。
この記事では句切れとは、句切れを簡単に見つける5つの方法、句切れを使った和歌読解のコツ、を解説していきます!
句切れとは
句切れとは和歌の意味がいったん切れる場所のことです。
もっと分かりやすく言うと、読んでいて「。」が付けられる場所のことです。
実際の文章で見てみましょう。
この和歌を訳してみてみると…
このように「…閉ぢよ。をとめの…」のところで「。」を付けられることが分かります。
このように和歌の意味がいったん切れる。もっと分かりやすく言うと「。」が付けられる場所、これを句切れと言います。
和歌が訳せなくても、句切れの場所は分かります。句切れの探し方は後程紹介しますので安心してください。
句切れは和歌の5/7/5/7/7のいづれかの音の最後に付きます。
初めの5と7の間で切れれば初句切れ、次の7と5の間で切れれば二句切れ、次の5と7の間で切れれば三句切れ、次の7と7の間で切れれば四句切れ、最後まで区切れなかったら句切れ無しとなります。
もちろん、2つの句切れを持つ和歌もあります。
この句切れを発見することで読みにくい和歌が格段読解しやすくなります!
句切れを使った和歌読解の解説・練習は記事の後半で行います。
区切れの見分け方・コツ
では次に区切れはどうやって探せばいいのかを解説していきます。
区切れとは「。」が付くことでしたから、逆にそれを利用して「。」が付くということは?と考えると見つけることができます。
簡単に見つけるために見つけ方を5つのパターンに分類しました。
句切れは
- 終止形
- 命令形
- 終助詞
- 係り結び
- 倒置を伴う体言止め
この5つの型に着目すると簡単に見つけることができます。
終止形
和歌の中に活用語(動詞、助動詞、形容詞、形容動詞)の終止形があれば、必ずその後ろには「。」があるということになりますよね。
和歌中に終止形があればそこで文が句切れると判断してください。
↓
訳:神代の昔でさえも、聞いたことがない。龍田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。
命令形
命令形も「~しろ。」という文の形ですから、終止形同様に後ろに「。」が付きます。
和歌中に命令形があればそこで文が句切れると判断してください。
↓
訳:広い海を、たくさんの島々を目指して漕ぎ出して行ったよ、と都にいる人々には告げてくれ。漁師の釣り船よ。
終助詞
終助詞はその名の通り、文の終わりにつく助詞のことです。
ですので、終助詞が和歌の中にあるということは、いったんそこで意味が句切れて「。」が付くことが分かります。
和歌でよく使われる終助詞は「な」「よ」「ぞ」ですので、これらの終助詞が使われていたら文がそこで句切れると判断してください。
▼終助詞についてさらに詳しくはこちら▼
↓
↓
訳:花の色は移りあせてしまった。むなしく長い雨が降っている間に。
係り結び
係り結びとは「文末が連体形や已然形に変わる」という文法ルールです。
ですので、和歌の5/7/5/7/7の最後の7以外で係り結びが係っていた場合、そこでいったん文章が終わっているということになります。
和歌の途中で係り結びが起きていた場合はそこで文が句切れると判断してください。
↓
訳:私の袖は、引き潮の時でさえ海中に隠れて見えない沖の石で誰も知らない石のようだ。(涙のせいで)乾く間もない。
▼係り結びについてさらに詳しくはこちら▼
倒置法をともなう体言止め
最後にこれは少し難しい見分け方ですが、これまでの4つに比べたら数が少ないですから軽く理解しておいてください。
倒置法をともなう体言止め、例えば
「暖かいなぁ、春の風」や
「雪が積もっているよ、一本松」なんかのように
倒置法と体言止めがセットで使われていた場合、そこで意味が切れることがあります。
↓
訳:道中で、清水が流れ出ている柳の小陰があった。少しそこで休もうと思ったら、あまりにも心地がよくて長居をしてしまったよ。
句切れを読解に活かそう
他のサイトや解説動画では「句切れは実際に訳してみて、意味の切れで判断しよう」と言っていますが、このサイトではその逆「句切れを見つけて、それを頼りに和歌を訳そう」をお勧めします。
句切れうんぬんの前に、和歌が訳せたら苦労しませんからね。
まず、和歌が読みづらい理由の一つは「句読点が無く、ただ平仮名が並んでいて、ノペーっとしていること」なのです。
そして、多くの人がなんとなくリズムの良さから「5/7/5 7/7」に分けて読んでしまうのです。
ですので、先ほどの5つの型から「。」を付けて正しい位置で意味を切ることでめちゃくちゃ和歌が読みやすくなるのです!
では、この実際の和歌で「句切れを読解に活かす」をやってみましょう。
まず、多くの人がやってしまうダメな例が、リズムのいいところで切って読んでしまうこと。
例えば、この和歌なら
↓
ここで切った方が確かにリズムは良いです。
ですが、正確な意味の切れは
ここでしたよね。
ここに意味の切れがあることを強く意識して、半分ずつ別々に訳してみます。
前半部分
後半部分
前半・後半合わせて
すると、こんな感じで明らかに訳しやすくなりました。
もういっちょ
この和歌は
5つの型を参考に考えると、ここに句切れがあります。
これを意識して、別々に訳すと
前半部分
後半部分
前半・後半合わせて
このように訳すことができます。
(この和歌は掛詞、縁語を勉強するともっと深く読むことができます。)
こんな感じで、句切れを5つの型から見つけて、そこに意味の切れがあることを意識することが和歌の読解のコツの1つなのです。
まとめ
今回は和歌の句切れについて、句切れとは、句切れの見つけ方、句切れを使った和歌読解法を解説しました。
・句切れの見つけ方は終止形、命令形、終助詞、係り結び、体言止め、に着目
・句切れを見つけたら、意味の切れを意識して訳す。
が重要でした。
句切れの発見は和歌を非常に読みやすく、明快にしてくれます。
和歌が出てきたら常に句切れを探す癖を付けましょう!
では、また!
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