どうも、あっしーです。
過去の助動詞「き」「けり」は最序盤に習い、古文で一番使われる助動詞の一つです。
「けり」の意味は過去なのか詠嘆なのか
複雑な「き」の接続など
助動詞「き」「けり」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。
目次
「き」「けり」の活用表
「けり」の活用はラ変型になっています。
ラ変型の活用を覚えて、自分で活用表を作れるようにしておきましょう。
穴が開いていますが、穴無しの「けら、けり、けり、ける、けれ、けれ」で覚えても構いません。
「き」は特殊型の活用です、これは覚えるしかありません。
「せ、〇、き、し、しか、〇」
と唱え暗記しましょう。
「き」の未然形「せ」は「~せば、~まし。」のように反実仮想の助動詞「まし」を伴って、仮定条件を表す場合のみに使われます。
例
夢と知りせば覚めざらましを
訳:(恋しい人が夢に現れた)もし夢と知っていたなら、夢から覚めることはしなかっただろうに。
古代中世日本では、夢に意中の異性が出てきたら、その異性が自分を思うあまり自分の夢にまで来てしまったと解釈するのが一般的だったそうです。
ん~、めっちゃ都合いい!
「けり」の接続
「けり」は連用形接続です。
つまり、「けり」の前に活用のある語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)が来たらその活用は必ず連用形になります。
接続とは↓
「き」の接続
「き」は基本的に連用形接続です。
しかし、カ変・サ変動詞には変わった接続をします。
「き」のカ変動詞への接続
カ変動詞には基本的に未然形「来(こ)」に接続します。
見れば、率て来(こ)し女もなし
訳:見ると、連れて来た女もいない。
ただ1つ例外があり「来(き)し方」のみ連用形「来(き)」に接続します。
「き」のサ変動詞への接続
サ変動詞には基本的に未然形「せ」に接続します。
わがせしがごとくうるはしみせよ
訳:私がしたように、新しい夫を愛しなさい。
ただ、例外的に「き」の終止形「き」だけは連用形「し」に接続します。
世渡るたづきとしき
訳:生活する手段とした。
・基本は連用形接続
・カ変・サ変動詞には未然形接続
・ただし例外もある
「けり」の意味
1、過去「~た」
過去の意味を表します。
今は昔、比叡山に児ありけり
訳:今は昔、比叡山延暦寺に児がいた。
2、詠嘆「~だなぁ」
驚きや感嘆を表します。
見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける
訳:柳と桜を混ぜ見渡した京都こそが春の錦であるなぁ。
「犬なども、かかる心あるものなりけり」と笑わせ給ふ
訳:「犬などにも、このような心があるものなのだなぁ」とお笑いになる。
「けり」は基本『過去』の意味ですが、例文のように和歌中や会話文中の「けり」は詠嘆で訳すことが多いです。
現代では「結末をつける」ことを「けりをつける」と言いますが
実はこの「けり」は助動詞「けり」から生まれたものです。
和歌は例文のように「~けり」で締めることが多かったことから「けり」は終わりを表すようになったのです。
「き」の意味
1、過去「~た」
過去の意味を表します。
さやうの人の祭り見しさま、いと珍かなりき
訳:そのような人が(賀茂の葵)祭りを見物した様子はとても珍しいものだった。
「き」と「けり」はどちらも過去の助動詞ですが微妙に意味が違います。
「き」は自分が直接体験した過去に使われます。
「けり」は他人から伝え聞いた過去に使われます。
なので「けり」の本当の訳は「~た、と聞いた」です。
が、高校古文でここまで正確に訳出する必要はありません。
まとめ
さて、お疲れ様です。
今回は過去の助動詞「き」「けり」についてまとめました。
・「き」はカ変・サ変動詞には変則接続
・和歌中、会話文中の「けり」は詠嘆
が重要でした。
「けり」は一番使われる助動詞の一つですので訳し忘れないようにしましょう!
確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、訳してみるのが一番です。
記憶が新しいうちにやってみてくださいね。
「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!
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