どうも、あっしーです。
縁語とは、古文の和歌の中で使われる表現技法(修辞法)のひとつです。
共通テストレベルの問題でも問われる可能性のある重要な技法です。
この記事では縁語とは何か、訳し方、縁語の見つけ方、重要な縁語一覧など縁語のすべてをまとめました!
縁語とは
縁語というのは和歌の表現技法(修辞法)のひとつです。
和歌の表現技法は掛詞、枕詞、序詞、縁語などがあり、縁語はそのうちの一つです。
具体的にどういうものかというと
和歌の中に関係の深い言葉を散りばめることです。
簡単に言うと連想ゲームを和歌の中でしているのです。
言葉で聞いてもパッとしないので例文を見てみましょう。
訳:(雨で)増えた川の水が岸に迫っているその深さに比べても、あなたを愛する心の深さのほうがまさっている。
この和歌では「おほ水(多い水つまり洪水)」「きし(岸)」「ふかき(深い)」という風に水に関係が深い言葉が散りばめられています。
まさに、和歌の中で超高度な連想ゲームをしているみたいです。
このように関連(縁)の深い言葉やそれを散りばめる技法のことを縁語と言います。
縁のある言葉を散りばめるので縁語というのです。
縁語の訳し方
縁語は単に和歌の中で連想ゲームをするという高度な技巧であって、それ自体に特に意味はありません。
ですので、縁語が使われたからと言って特殊な訳を考慮する必要がありません。
単語の意味をそのまま訳せば十分です。
ですが、縁語と掛詞はセットで使われることが多く、その場合掛詞は工夫して訳す必要があるので注意しましょう。
▼掛詞の訳し方はこちら▼
よく使われる縁語一覧
注意すべき縁語をまとめておきました。
縁語のグループ | 連想される縁語 |
浦 | 海松(みる、海草名)・海人(あま) |
笠 | さす・雨 |
霞 | 立つ |
川 | 岸・深い |
霧 | 晴る・立つ・空 |
草 | 萌ゆ |
衣 | 着る・萎る・褄・張る・断つ・裏 |
竹 | 節・根 |
玉の緒(命) | 絶ゆ・ながらふ・弱る |
露 | 消ゆ・置く・結ぶ・葉 |
波 | 浦・帰る |
弓 | 張る・射る・引く |
縁語の見つけ方
上にあげた縁語は一通り暗記しておくことをお勧めしますが、縁語は掛詞と一緒に使われることがよくあります。
具体的に言うと、掛詞の裏側の意味同士が縁語になっている場合が多いです。
例えばこの例文で言うと
訳:今はまさか通って来たりもしてくださらないのでしょうね。岸に迫る大水のように深い愛情はほらあの 川のようだよと見せてくださりながらも。
「きし」には「来し」と「岸」、「かは」には「彼は」と「川」の掛詞が使われて、これらの裏の意味「岸」と「川」は縁語になっています。もちろん「おほ水」「ふかき」も縁語です。
よく使われる縁語一覧にない縁語を探すときや、自分で縁語を探すときは掛詞に注意して探すと見つけやすいです。
▼掛詞について詳しくはこちら▼
まとめ
今回は縁語についてまとめました。
・訳に考慮する必要はない
・掛詞と一緒に使われることが多い
でした。
和歌はたったの31文字の中にいくつも意味が掛かった技巧やその当時の風景、詠んでいる人の心情が詰め込まれた素晴らしい文化だと思います。
受験勉強として見るだけでなく、昔の歌人が残した古き良き日本の情趣を楽しみながら和歌を詠んでみましょう!
では、また!
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