どうも、あっしーです。
推量の助動詞「べし」は重要な頻出助動詞です。
よく出題される助動詞ですが、意味がたくさんあり、慣れるまでは「どう訳せばいいの?」と混乱しますよね。
そこで、本記事では「べし」の基本文法事項から意味の覚え方、意味の見分け方
助動詞「べし」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。
この記事で「べし」は完璧にしましょう!
目次
「べし」の活用表
ク活用の形容詞と同じ活用をします。
なので、この活用表を覚えるというよりは形容詞の活用を覚えることをお勧めします。
活用表の上の段と下の段は明確な使い分けがあります。
下の「べから」の段は推量の助動詞「べし」の後に別の助動詞が続く場合に使われ、後に助動詞以外が続く場合に上の「べし」の段が使われます。
例文
空をも飛ぶべからず。
この文では「べし」の後ろに別の助動詞「ず」が付いているので、下の段が使われます。
風も吹きぬべし。
この文では「べし」で文が終わっていますので上の段が使われます。
「べし」の接続
「べし」は終止形接続です。
ただし、ラ変型活用語(ラ変動詞、形容詞、形容動詞、ラ変型助動詞)には連体形に接続します。これは「べし」が〈u〉音と相性がいいからです。
接続とは↓
「べし」の意味は6つ
意味は6つあり「推量」「意志」「可能」「当然」「命令」「適当」です。
頭文字と取って「スイカとめて」と覚えましょう!
意味が6つもありますから意味を判別し正確に訳すことが重要になります。
では訳し方、意味の見分け方を1つずつ見ていきましょう!
「べし」の訳し方
- 推量「~だろう」
- 意志「~(しよう)」
- 適当「~(する)のがよい」
- 可能「~できる」
- 命令「~せよ」
- 当然「~はずだ」「~ねばならない」
1、推量「~だろう」
「推量」は「意志」と並んで1番使われる用法です。
現実していない事柄、不確かな事柄への推量を表します。
潮満ちぬ。風も吹きぬべし
訳:潮が満ちた。きっと風も吹くだろう。
2、意志「~(し)よう」
「意志」は「推量」と並んで1番使われる用法です。
意志や希望を表します。
「宮仕へに出だし立てば死ぬべし」と申す
訳:「私を宮仕えに出すなら、死んでしまおう」と申し上げる。
3、適当「~(する)のがよい」
そうすることが適しているという判断を表します。
家の造りやうは、夏をむねとすべし
訳:家の造り方は、夏の暮らし主とするのがよい。
4、可能「~できる」
可能だという判断を表します。
羽なければ空を飛ぶべからず
訳:羽がなければ空を飛ぶことはできない。
5、命令「~せよ」
あまり見ない用法です。
汝ら、よくよく心得べし
訳:お前たち、よくよく心得よ。
6、当然「~はずだ」「~ねばならない」
必ず来べき人のもとに車をやりて待つに、
訳:必ずくるはずの人のもとに車をやって待つときに、
「べし」の意味は6つあると言いましたが6つの意味の核心は「~することになっている」です。
この「~することになっている」という意味から
「~するだろう」
「~するつもりだ」
「~できる」
「~するはずだ」
という意味が生まれました。
このことを意識しておくと「べし」の読みやすさがグーンと上がりますよ!
「べし」の核心は「~することになっている」です!
「べし」の意味の見分け方
「べし」の意味の見分け方①
「べし」が使われている文章の主語と「べし」の意味には次にような関係があります。
1人称 | 2人称 | 3人称 |
意志 | 適当、命令 | 推量 |
1人称なら「意志」、2人称なら「適当」「命令」、3人称なら「推量」です。
潮満ちぬ。風も吹きぬべし
訳:潮が満ちた。きっと風も吹くだろう。
この例文の場合、主語は「風」、つまり3人称ですので「べし」は推量になります。
「べし」の意味の見分け方②
可能の「べし」は打消し・反語の意味の語を伴うことが多いです。
つまり「~できない」として使われることが多いです。
羽なければ空を飛ぶべからず
訳:羽がなければ空を飛ぶことはできない。
「べし」の意味の見分け方③
当然、適当の「べし」は後ろに体言(名詞)が来ることか多いです。
必ず来べき人
訳:必ず来るはずの人
物ひとこと言ひおくべきこと有り
訳:ひとこと言っておかねばならないことがある。
東の方に住むべき国求めに
東国の方に住みよい国を求めに(行こう)。
1人称主語→意志
2人称主語→適当、命令
3人称主語→推量
打消しを伴う→可能
後ろに名詞→当然
まとめ
さて、お疲れ様です。
今回は推量の助動詞「べし」についてまとめました。
「べし」で重要なのは
・終止形接続(ラ変には連体形接続)
・意味は「スイカとめて」の6つ
・核心は「~することになっている」
・6つある意味の見分け
でした。
この記事ですべてを網羅していますので、しっかり復習して身に着けてくださいね!
確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、意味を見分けてみるのが一番です。
記憶が新しいうちにやってみてくださいね。
「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!
コメントを残す