どうも、あっしーです。
助動詞の「す・さす・しむ」は古文では頻出助動詞の一つです。
古文では頻繁に出てきますが、使役で訳すのか、尊敬で訳せばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、本記事では「す・さす・しむ」の基本事項、訳し方、意味の見分け方
助動詞「す・さす・しむ」についてのすべてを分かりやすく解説していきます。
これを読んで、助動詞「す・さす・しむ」はしっかり対応できるようになりましょう!
目次
「す・さす・しむ」の活用表
「す」は下二段活用になっていて、「さす」は「す」に「さ」を付けただけです。
この活用表を覚えるというよりは下二段活用表を覚えることをお勧めします。
「さ」はサ行の下二段、「さす」は『さ』を付けただけですからね。
「しむ」はマ行の下二段活用です。
「す・さす・しむ」の接続
「す・さす・しむ」は未然形接続です。
つまり、「す・さす・しむ」の前に活用のある語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)が来たらその活用は必ず未然形になります。
女どもを、番に下りて守らす
訳:女たちを、番人に置いて(かぐや姫を)守らせる。
「す」の前の四段活用動詞「守る」が未然形「守ら」になっています。
接続とは↓
「す・さす・しむ」の訳し方
「す・さす・しむ」には『使役』と『尊敬』の2つの意味があります。
それぞれ訳し方を見てみましょう。
1、使役「~(さ)せる」
「○○に~をさせる」
という文章を使役と言います。
訳:女たちを、番人に置いて(かぐや姫を)守らせる。
軍記物語では、受け身の「る」「らる」ではなく使役の「す」「さす」を使って受身表現をすることがあったそうです。
これは「討たれた」ではなく「討たせてやった」という表現を武士が好んだからだと言います。
武士ってツンデレだ!
2、尊敬「~なさる」「お~になる」
尊敬の意味を加えます。
おほやけも行幸せしめ給ふ
訳:天皇もお出かけになる。
「す・さす・しむ」の意味の見分け方
「す・さす・しむ」で重要なのは2つある意味のどちらで訳すのかということです。
簡単な分け方があるのでここでマスターしましょう!
意味の見分け方①
下に「給ふ」や「おはします」など尊敬を表す語が付いていない場合
この時は『使役』で訳します。
妻の嫗に預けて養はす
訳:妻である老女に(かぐや姫を)預けて育てさせる。
意味の見分け方②
下に「給ふ」や「おはします」など尊敬を表す語が付いている場合
この場合は『尊敬』『使役』のどちらか考える必要があります。
考えるポイントはその文に「○○に」という箇所があるかないかです
1、「○○に」という文章がある、または補える時
この時は『使役』で訳します。
現代でも
「後輩にパンを買ってこさせる」
「私に意見を言わせてください」
のように「○○に」の部分は欠かさないですよね。
古文も同じで「○○に~す(さす)」と来たら使役になります。
「〇〇に」の部分には人物が入ることがほとんどです。
この方に心得たる人びとに弾かせたまふ
訳:この方面に精通した人にお弾かせになる。
2、「○○に」という文章がない時
この時は『尊敬』で訳します。
語りいでさせ給ふを、上も聞こしめし、めでさせ給う
訳:中宮定子がお話になるのを、天皇もお聞きになり、お褒めになる。
この時の「せ給ふ」「させ給ふ」のような形を二重敬語と言い最高位の敬語になります。
この二重敬語は本当に位の高い人、天皇や皇后にしか使われません。
このことを利用して省略された主語を特定することもできます。
・下に尊敬の語がない→『使役』
・下に尊敬の語があり、「○○に」がある→『使役』
・下に尊敬の語があり、「○○に」がない→『尊敬』
あとがき
さて、お疲れ様です。
今回は重要助動詞「す・さす・しむ」についてまとめました。
・下二段活用
・未然形接続
・意味は『使役』『尊敬』の2つ
・「す・さす・しむ」を訳すコツは下に尊敬の語があるかどうか
しっかり復習して身に着けてくださいね!
確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、訳してみるのが一番です。
記憶が新しいうちにやってみてくださいね。
「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!
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