どうも、あっしーです。
枕詞(まくらことば)とは、古文の和歌の中で使われる表現技法(修辞法)のひとつです。
共通テストレベルの問題でも問われる可能性のある重要な技法です。
この記事では枕詞とは何か、序詞との違い、訳し方、枕詞の見つけ方、重要な枕詞一覧など枕詞のすべてをまとめました!
枕詞とは
枕詞というのは和歌の表現技法(修辞法)のひとつです。
和歌の表現技法は掛詞、枕詞、序詞、縁語などがあり、枕詞はそのうちの一つです。
具体的にどういうものかというと
「原則、5音からなり、枕詞の後には各々の枕詞に対応する決まった単語が来る」という和歌の約束事です。
言葉で説明してもピンとこないでしょうから、実際に見てみましょう。
重要なのは「5音であること」「枕詞の後には必ず決まった単語が来る」ということです。
訳:こんなに日の光がのどかな春の日に、どうして桜の花は落ち着いた心がなく散ってしまうのであろうか。
この和歌の「ひさかたの」は光に対応する枕詞です。
和歌で「ひさかたの」と「光」が必ずセットで使われるということではありませんが、「ひさかたの」と来れば必ず「光」が和歌に入ってきます。
これは、「ひさかたの」が「光」に対応する枕詞だからです。
他にも
「あしひきの」と来たら「山」
「うつせみの」と来たら「命」
「ちはやふる」と来たら「神」、などの枕詞があります。
これが、枕詞というルールです。
理解できたでしょうか。
枕詞と序詞の違い
よく勘違いしてしまうもので、序詞(じょことば)という技法があります。
序詞と枕詞はよく似た表現技法ですが、
序詞は「七音以上からなる」「序詞の後に来る単語は必ず決まった単語ではない」という枕詞とは明確な違いがあります。
混同しないように注意しましょう。
▼序詞について詳しくはこちら▼
枕詞の訳し方
枕詞の訳し方、意味ですが枕詞は特に意味がなく、訳出する必要はありません。
訳:こんなに日の光がのどかな春の日に、どうして桜の花は落ち着いた心がなく散ってしまうのであろうか。
先ほどの和歌ですが、「ひさかたの」の部分は特に意味がなく、訳に反映する必要はありません。
では、なぜ枕詞が使われるのか
枕詞には声調を整えたり、印象を強めるといった役割があります。
一言で言うと枕詞は「和歌の雰囲気作り」のために使われているのです。
重要な枕詞一覧
枕詞とそのあとに来る決まった語というのは暗記しておく必要があります。
入試によく出る枕詞をここでまとめておきます。
枕詞 | 後ろに来る語 |
あかねさす | 紫・日・昼・照る |
あしひきの | 山・峰 |
あづさゆみ | 引く・張る・音・末 |
あらたまの | 年・月・日・春 |
あをによし | 奈良 |
うつせみの | 命・世・人・身・空し(むなし) |
からころも | 着る・裁つ・袖・裾・紐 |
くれたけの | 節・世・夜 |
しきしまの | 大和 |
しろたへの | 衣・袖・袂(たもと)・雲・雪 |
たまきはる | 命・世・うち |
たらちねの | 母・親 |
ちはやふる | 神・宇治 |
ぬばたまの | 黒・闇・夜・夢・髪・月 |
ひさかたの | 光・天・空・日・月・雲 |
わかくさの | 妻・夫(つま)・新(にい)・若 |
枕詞の見つけ方
上にあげた枕詞は一通り暗記しておくことをお勧めしますが、枕詞の見つけ方を紹介します。
上の枕詞一覧を見ればわかるかと思いますがほとんどが「~の」で終わっていますよね。
さらに、枕詞は原則5音です。つまり、和歌の5/7/5/7/7の5音の部分、初句と3句目にしか来ません。
ですので、初句または3句目が「~の」で終わっていたらそこは枕詞であると疑いましょう。
まとめ
今回は和歌の修辞法のひとつ、枕詞についてまとめました。
・和歌の雰囲気作りであり、訳す必要はない。
・初句、3句が「~の」で終わったら枕詞かも
でした。
和歌はたったの31文字の中にいくつも意味が掛かった技巧やその当時の風景、詠んでいる人の心情が詰め込まれた素晴らしい文化だと思います。
受験勉強として見るだけでなく、昔の歌人が残した古き良き日本の情趣を楽しみながら和歌を詠んでみましょう!
では、また!
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