古文では主語が省略されてしまうことがよくあります。
そして古文が読めない人のほとんどがこの「主語の省略」にはまっているのです。
逆に言えば、主語を追うことができれば古文はほぼ読めるようになります。
今回は、助詞を使った主語特定法を徹底解説します。
主語を特定する方法はいくつかありますが、実はこの助詞を使う特定法が一番頻繁に使う特定法なのです。
助詞とは
~が、 ~を、 ~に、などの単語と単語の間に入る語です。
なぜ主語がわからなくなってしまうの?
まずは、「なぜ主語を見失ってしまうのか」を教えます。
この「なぜ」知っておくだけでも、古文の読みやすさが格段に上がります。
古文の主語を見失ってしまう理由の一つが、1文で何回も主語がチェンジすることです。
どうゆうことかというと、
古文では
~~~、~~~。
この‘‘、‘‘の前後で主語が全く違う人に変わることがざらにあるのです。
簡単な例を見てみましょう。
女が踊りければ、笑いけり。
訳:男と女がいた。女が踊ると、男は笑った。
このような~、~。の文は‘‘、‘‘の前後で主語が勝手に変わっていることが多いです。
つまり踊っているのは女ですが、笑っているのは女ではなく男なのです。
このせいで古文は主語が変わったことにすら気づかずに、間違えた解釈を続け結果的に全くずれた解釈になってしまうのです。
このミスを圧倒的に減らしてくれるコツが助詞なんです。
前後で主語が変わる助詞「を、に、ば、が、ども」
「~~~、~~~。」という文章では、主語が変わることがある。
という話をしました。
実はこういう文の前後で主語が変わるパターンは大体決まっています。
それは
~を、~。
~に、~。
~ば、~。
~が、~。
~ども、~。
という‘‘、‘‘の前に「を、に、ば、ども、が」という助詞が付く時、主語は非常に変わりやすいです。
さらに言うと、前の文の動作の受け手がの後ろの文の主語になることがほとんどです。
先ほどの例を見てみましょう。
女が踊りければ、笑いけり。
訳:男と女がいた。女が踊ると、男は笑った。
この文も「~ば、~。」という構成になっていました。
主語が変わる助詞は「を、に、ば、ども、が」です。
語呂合わせで「おにばばどもが!」と覚えよう!
前後で主語が変わらない助詞「て、で、して、つつ」
逆に~~~、~~~。でも主語が変わらない助詞もあります。
~て、~。
~で、~。
~して、~。
~つつ、~。
です。
例を見ていきましょう。
女が踊りつつ、笑いけり。
訳:女は踊りながら、笑った。
この場合は登場人物が男と女であっても、踊ったのも笑ったのも女です。
実際に読んでみよう!
以上のことを踏まえて次の文章を読んでみてください。
驚くほどスッキリ読めると思います。
「を、に、ば、ども、が」が来たら主語が変わる
「て、で、して、つつ」が来たら主語は変わらないを意識して
全ての文で誰が主語なのか、誰のセリフなのかを意識して読んでくださいね!