この記事では古文の連語とは何か、覚えておくと古文読解に役立つ連語についてまとめました。
連語は案外意識して勉強した人は少ないと思います。
しかし、連語を覚えておくと読解にとても役立ちます。
連語とは
連語というのは慣用表現のようなものです。
たとえば、「いたずらになる」で「死ぬ」、「世を捨つ」で「出家する」のようなものがあります。
これが、受験古文では意外とよく出るんです。もちろんこれらは知らないと訳せませんから、連語を覚えておくと読解に非常に役立ちます。
また、たくさんある「出家する」などの表現をまとめて覚えておくと便利です。
ここからは、頻出な古文連語をまとめました。
覚えておくと役に立つ頻出連語
出家シリーズ
「出家する」という意味があるグループです。
かたちをかふ
かたち、つまり姿を変え僧になるという意味です。
他にも似たものに「様をかふ」などがあります。
訳:出家して、夫婦の中を思い切る
かしらおろす
髪を切って法師になるという意味です。
他にも似たものに「かざりおろす」「御髪おろす」などがあります。
訳:思いがけなく、髪を剃って出家なさってしまわれた。
世を捨つ
俗世間を捨てて出家するという意味です。
他にも似たものに「世を背く」「世を遁る」「世を離る」などがあります。
亡くなるシリーズ
いたずらになる
むなしくなる
はかなくなる
いふかひなくなる
さらぬわかれ
どれも「亡くなる」という意味です。
「さらぬわかれ」は避けられない別れ、つまり死別のことです。
訳:と書いて、そこで死んでしまった。
訳:世の中に死別というものがなければいいなぁ
否定表現シリーズ
さらに~打消し
つゆ~打消し
ゆめ・ゆめゆめ~打消し
おほかた~打消し
どれも、「少しも・まったく~ない」という意味です。
まとめて覚えましょう。
訳:すべて少しも間違うことはないのだった。
をさをさ~打消し
「ほとんど・めったに~ない」という意味です。
いと~打消し
「たいして~ない」という意味です。
「まったくない」と勘違いしがちですので注意です。
その他
せきあへず
「涙をこらえきれない・泣く」という意味です。
「あへず」には「耐えられない」という意味があります。
涙をせき止められないということです。
訳: 見ている人も涙がこらえきれない。それにもまして一日中悲しい。
あるようこそは(あらめ)
「何かわけがあるのだろう」という意味です。
訳:…とおっしゃるので、何かわけがあるのだろうと言って、
未然形+ばこそあらめ
「~ならともかく」という意味です。
訳:仏様にお願いでもなさるのならばともかく、やはりこんな機会にどうにかして死にたい。
さてありぬべし
「そのままでもかまわない」という意味です。
訳:実際には似ていないでしょうが、それはそれでよいだろう。
いへばさらなり
「言うまでもない」という意味です。
訳:軸や表紙・箱のようすの(立派なことは)わかりきっていて、言うまでもないよ。
~のがり
「~のもとへ」という意味です。
訳:京都の医者のもとへ連れて行った道中
いかがはせむ
「どうしょうもない」という意味です。
訳:とてもしゃくで腹立たしいけれども、どうしようか、いや、どうしょうもない。
まとめ
以上が覚えておくと便利な連語(慣用表現)です。
意外とよく出てきますから、暇なときに知らないものを見ておくといいと思います。
では、また!
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