「まし」の意味の見分け方

「まし」の意味の見分け方

反実仮想の「まし」

反実仮想の「まし」は使われる形が決まっています。

4つしかありませんので構文として覚えてしまうことをお勧めします。

 

① ―ましかば~まし

例文

やがてかけこもらましかば、口惜しからまし

訳:もしすぐに中に籠ってしまったとしたら、残念なことだろうなぁ

 

 

② ―ませば~まし

例文

わが背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪のうれしからまし

訳:もし夫と二人で見たとしたら、どんなにこの降る雪がうれしいだろうに

 

 

③ ―せば~まし

「せば」の「せ」は過去の助動詞「き」の未然形「せ」です。

例文

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

訳:もしこの世に全く桜がなかったとしたら、(すぐ散ってしまう桜を焦って見ようとすることもなく)春の人々の心はのどかだっただろうなぁ

 

 

④ 未然形+ば~まし

例文

わが身一つならば、安らならましを、

訳:もし自分一人であるとしたら、気楽だろうに

 

この4つの型で「まし」が使われた場合はほぼかならず反実仮想の「まし」になりますので、「もし―としたら~だろうに」に当てはめて訳すようにしましょう。

体感3番が一番よく目にする気がします。

反実仮想「まし」の4つの型

・―ましかば~まし

・―ませば~まし

・―せば~まし

・未然形+ば~まし

 

ためらいの意志の「まし」

ためらいの意志の「まし」は「何、や、か、いかに」などの疑問を表す語を伴い「何~まし」「や~まし」の形で使われることが多いです。

例文

これにを書かまし

訳:これに何を書こうかなぁ

 

迎へましとおぼし乱る

訳:「迎えをしようかなぁ」と思い乱れなさる。

 

意味の見分け方まとめ

「まし」意味の見分け方まとめ

・反実仮想は4つの型がある

・「なに、や、か、いかに」を伴ったらためらいの意志

・それ以外は不可能な希望

 

まとめ

さて、お疲れ様です。

今回は反実仮想の助動詞「まし」についてまとめました。

「まし」で重要なのは

「まし」まとめ

・未然形接続

・4つある意味の見分け

・反実仮想は4つの型で総ざらい!

でした。

この記事ですべてを網羅していますので、しっかり復習して身に着けてくださいね!

 

確実に身に着けるには実際に古文を読んでみる、意味を見分けてみるのが一番です。

記憶が新しいうちにやってみてくださいね。

「明日やろうは馬鹿やろう」ですよ!