「む・むず」の意味の見分け方

「む」の意味の見分け方①

「む」が使われている文章の主語と「む」の意味には次にような関係があります。

1人称 2人称 3人称
意志 適当 推量

1人称なら「意志」、2人称なら「適当」、3人称なら「推量」です。

「推量」と「意志」の使用率が多いです。

例文1

つれづれわぶる人は、いかなる心なら

訳:することもなく退屈を嫌がる人は、どういう気持ちなのだろう

こちらの文章の主語は「つれづれわぶる人」つまり3人称ですので、意味は推量になります。

 

例文2

いとおかしげなる猫なり。飼は

訳:とてもかわいい猫だ。飼おう

猫を飼うのは自分、つまり1人称ですので意志になります。

「む」の意味の見分け方②

連体形の「む」、つまり「む」+名詞

はほとんどが「婉曲」か「仮定」のどちらかになります。

(ただし、係り結びの結びとして連体形になっている場合は除く。)

「婉曲」のほうがよく使われます。
ですのでまず「婉曲」で訳して違和感があるようだったら「仮定」で訳しましょう。

例文

翁申さむこと、聞き給いてむや

訳:翁が申すようなことをお聞きくださいませんか

補足

「む」の下に名詞ではなく助詞「に・は・も」が来るときも、その「む」は連体形の「む」であることが多いです。

なぜ、助詞「に・は・も」の上の「む」が連体形なの?

という疑問があるかもしれません。

これは「む」と助詞の間に元々あった体言が省略されたからです。

「もの」や「こと」などのあたりまえの体言は省略される傾向があります。

「む」の意味の見分け方③

強意の係助詞「こそ」や強意の助動詞「ぬ」「つ」で強められた「む」は適当が多いです。

つまり「~なむ」「~てむ」「…こそ~め」と来たら適当の可能性があります。

「難点こそ目」と覚えましょう!

例文

黒き雲いできぬ。御船返してむ

訳:黒い雲が出てきた。船を返したほうがいいだろう

 

 

意味の見分け方まとめ

意味の見分け方まとめ

・一人称+「む(むず)」は意思

・二人称+「む(むず)」は適当

・三人称+「む(むず)」は推量

・「む(むず)」+「名詞」は婉曲または仮定

・「~なむ」「~てむ」「…こそ~め」と来たら適当

 

まとめ

さて、お疲れ様です。

この記事で助動詞「む」「むず」については説明しきれたと思います。

この記事を読んでわからないことがあればどんどん質問してください!
必ず返信します!!

助動詞「む」「むず」は読解にも絡む重要な助動詞ですので何度も復習して訳を落とさないようにしましょう!